ウィーン(オーストリア共和国)
人口184万人・面積415k㎡・連邦共和制
2011年の夏、妻と二人でウィーンを訪れました。ウィーンと言えば、音楽の都として有名です。飛行機には、ザルツブルク音楽祭に参加されると思われる楽器を持った若い女性が、たくさん搭乗されていました。今回の旅では、旧市街はハプスブルク家の歴史的建築物と合わせて、アートな近代建築も観たいと思っています。
ウィーンの街は、東京と同じく23区から成り立っています。見どころの旧市街は、周囲4kmのリンクと呼ばれる環状線に囲まれた地域であり、皇居一周より小さい範囲程度でした。歩いても見て回れますが、リンクを走っている路面電車は簡単に利用でき、観光客には大変便利な交通機関でした。東京の都心にも、路面電車が復活できないか、海外の街々を訪れるたびに思い起こしています。
オーストリアはハプスブルク家の帝国として、第一次世界大戦までは、英・独・仏・露とならぶ欧州五列強でした。大戦に敗れ、ドイツに併合され、連合軍の分割占領を経て、1955年に独立し、永世中立国として現在に至っています。オーストリアには徴兵制がありますが、中立国として軍事的に自立する事は大変でしょう。
ウィーンで最も有名なのは、やはりモーツァルトではないでしょうか。30年程前の映画「アマデウス」は数えきれない程観ました。アカデミー賞8部門を受賞した傑作で、モーツァルトのイメージが完全に定着してしまいましたね。市街地には、モーツァルトみたいなチケット売りが沢山いらっしゃいました。
明治大学の青山佾先生によると、ウィーンの住宅の1/3は集合住宅だそうです。とくに有名なのは、社会主義政権下の1929年に造られた、カール・マルクス・ホックと呼ばれる巨大な集合住宅です。全長1200m・1382戸にも及ぶ巨大な労働者用住宅は、まさに社会主義を表現した様な建築物でした。一方、これらの集合住宅のおかげで、街のオープンスペースが確保され、歴史的建築物も保存されているのではないでしょか。東京の街づくりの参考になると思いました。
国会議事堂
古代ギリシャ神殿を思わせる様な荘厳な建築。
シェーンブル宮殿
ハプスブルク家が夏の離宮として使用。ヨーロッパで最も美しいバロック宮殿および庭園に数えられています。
ホーフブルク王宮
ハプスブルク家皇帝の居城。現在は、大統領府、国際会議場、礼拝堂などが入っています。
ウィーン国立オペラ座
ウィーンのオペラ座は、世界屈指の歌劇場で、世界中から多くの人が訪れています。
王宮
ハプスブルク家の王宮。中央はフランツ2世像かな?
旧市街の街並み
どこか忘れましたが、豪華な建物が連なっています。
路面電車
路面電車で環状道路リンクを回れます。25~30分程度で1周出来るので本当に便利です。市交通局の路線総延長は188km、路線系統は32系統と大規模なネットワークを誇ります。
クンストハウス
ウィーンを拠点に活動した芸術家、フンデルトヴァッサーの美術館。美術館自体も彼がデザインしています。
フンデルトヴァッサー・ハウス
フンデルトヴァッサーがデザインした曲線だらけの公共住宅。記憶に残る建築ですね。1960年代から「自然との共生」を提唱していた先見性は素晴らしい。
フンデルトヴァッサー・ハウスのトイレ
アートなトイレです。綺麗ですよね。
カール・マルクス・ホーフ
1930年代の社会主義体制時に、世界初の公営集合住宅として建設されました。全長1200m・1382戸にも及ぶ巨大な建築は圧巻です。
郵便貯金局
建築家オットー・ヴァーグナーの代表作。建築専攻の学生は必ず来るところです。
郵便貯金局内部
1912年の作品にもかかわらず、当時貴重だったアルミを多用したモダンで明るい空間です。
ケルントナー通り
500m程続く歩行者天国のメインストリート。アートが沢山あります。
オーストリア連邦鉄道(ÖBB)
ウィーンには5つのターミナル駅があります。私達は国際列車で次の街ブダペストに向かいました。