マーチエキュート神田万世橋」は神田須田町に新しくできた商業施設です。先日、千代田区議会の商工観光施策特別委員会にて視察に行ってきました…..と言っても自宅から徒歩2分ですが(笑)
赤いレンガ造りの万世橋高架橋を利用した、歴史や記憶を活かした商業施設で、隣には20階建てのオフィスビルである「JR神田万世橋ビル」が立っています。JR秋葉原駅から歩いてすぐの、神田川に架かる万世橋のたもとにあります。
初代万世橋は、東京駅より2年前の明治45年(1912年)に国鉄中央線のターミナル駅として開業しました。
東京駅と同じ辰野金吾による設計で、当時の駅前には市電が走り、銀座と並ぶ繁華街だったそうです。昭和18年(1943年)に万世橋駅の営業を休止した後は、皆さんご存知の交通博物館として平成18年(2006年)まで利用されていました。
高架橋を利用した再開発では、JR東日本は地元の声を聞きながら「地域との共生」をコンセプトに、歴史的背景を大切に開発に当ったそうです。創建時のれんが造りの壁や鉄製の桁に、新たにコンクリートで耐震補強が行われており、れんがと鉄とコンクリートの構成は、建築ファンには歴史を感じる興味深い空間となっています。
また、2階へ上がる階段は、明治の開業時に造られたもので、今回70年ぶりに利用されています。そして2階にはプラットフォームを整備した展望デッキがあり、電車が間近を走って行きます。鉄道ファンでなくても楽しいスペースとなっています。
神田川にはオープンデッキが設置されました。諸事情により小さなデッキとなり、川の向こうの建物も見るに堪えず、そもそも神田川が美しくないなど課題も多々ありますが、なんとか問題を解決して歩きたくなるようなデッキにしたいものです。施設内には11のショップが入っていますが、こちらもリピーターを呼べよう、頑張って頂きたいと思います。秋葉原と神田須田町、神田淡路町を繋ぐ拠点として、大いに期待しています。最期にひと言、神田万世橋ビルのレンガ風外壁の色が、高架橋の赤レンガの色と合っていないのがなんとも残念!