活動レポート

[2015年7月26日] 柏崎刈羽原子力発電所視察

外環5月31日(日)に、柏崎刈羽原子力発電所を視察してきました。視察メンバーは、明治大学大学院青山教授・荒川教授、さいたま市議会の土井議員、江戸川区議会の大西議員と私の計5名です。
柏崎刈羽原子力発電所は、新潟県柏崎市と刈羽郡刈羽村にまたがる東京電力の発電所です。7基の発電設備を持ち、首都圏へ電力を供給していたこの発電所も現在は、全てが定期検査及び新規制基準適合性審査中を理由に停止されています。
そこで今回は、原子力発電所のメカニズム、発電所の現状、特に福島第一原子力発電祖における事故を踏まえての安全対策について、視察を行って参りました。


しくみ1.発電所概要
敷地面積 約420万㎡
構内従業員 5789人(2015年5月1日)
協力会社 765社
プラント概要 7基合計発電出力 8212MW
2.原子力発電の仕組み
ウラン燃料の核分裂により発生した熱で水を蒸気に変え、蒸気をタービンに送り、タービンと発電機を回して発電を行う。
(出典:「原子力・エネルギー」図面集2012)

免震重要棟⑤・緊急時対策室(免震重要棟)

2・中央制御室

3・原子炉格納容器内
ここは、東京電力社員も簡単には入れないそうです。

4・制御棒駆動装置

5・原子炉隔離時冷却系ポンプ

3.安全対策
柏崎刈羽原子力発電所では、安全対策を講じる上で、下記の通り、階層毎に方針が示されていました。
●深層防護(①発生防止、②拡散防止、③炉心損傷防止、④影響緩和、⑤発電所外の緊急時対応)において、設計ベースと設計ベースを超える状態を考える。
●設計ベースと設計ベースを超える状態のそれぞれにおいて対策を講じる。
●多重性よりも、多様性、位置敵分散を重視する。

4.具体的対策
6①津波による浸水を防ぐ
海側に海抜15mの防潮堤を建設。重要な設備のある部屋が浸水しないよう水密扉を設置。
私が中央に立っています。如何に巨大な防潮堤であるか分かると思います。

7②電源と冷やす機能を確保
空冷式ガスタービン発電機車・電源車・消防車・貯水池を設置。

③水素爆発と放射性物質の拡散防止
格納容器頂部水張り設備や原子炉建屋水素処理設備、フィルタベント設備の設置。
④地震への対応
中越沖地震を踏まえた耐震強化。

視察を終えての感想(三現主義の実践)
5800人ものスタッフが、停止中の発電所で働かれており、心中を察します。今回の視察で、中越沖地震や東日本大震災を踏まえた耐震対策はしっかり対応できていると感じました。しかしながら、取り返しのつかない大事故を起こした東京電力は、引き続き、広く国民に信頼される様、企業文化やガバナンスを再構築しなくてはならないとも思います。
一方、私達には、日本のエネルギー政策を語る上で、感情的な意見やイデオロギーにとらわれることなく、冷静な視点が求められています。国際社会の一員として、国際公約でもあるCO₂排出量の削減も急務です。2度と戦争を起こさないためにも、国のエネルギー政策の重要性はますます高まっています。
現在、日本が直面しているエネルギー環境の中、原子力発電所は一体どうなっているのか?安全は本当に確保されているか?しっかりと自分の目で確かめる事が必要です。そして、それらを踏まえた上で、エネルギー政策は如何あるべきかを考える事の大切さを強く感じました。

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