この夏は、フィンランドのヘルシンキからバルト三国を縦断するひとり旅に出かけて来ました。
いくつもの街を訪れましたが、以前テレビ番組で紹介され、どうしても行きたいところがありました。それは、首都ヴィリニュスから西へ100kmにあるリトアニア第2の都市カウナスです。そこには、日本のシンドラーと言われた杉原千畝の功績が紹介されている「杉原記念館」があるからでした。
杉原千畝とは、第2次世界大戦初期に、ナチスドイツの迫害を逃れてきたユダヤ人達に対し、独断で日本の通過ビザを発行し、多くの命を救った日本人です。当時のリトアニアは、ソビエトが侵攻を進めており、日本領事も一刻も早く撤去しなくてはならない状況でした。一方、日本はドイツと同盟を結んでいた為、ユダヤ人に対してビザの発給を許可しませんでした。領事館前で救いを求めるユダヤ人達に対し、杉原は独断で、昼夜を問わずビザを書き続け、リトアニアを脱出する列車の中まで続けたそうです。
これにより、6000人を超えるユダヤ人を救ったと言われています。旧日本領事館が現在「杉原記念館」として残されています。人通りもない寂しい住宅地にあり、観光地ではありませんが、本当に行って良かったと思いました。
日本から遠く離れた静かな住宅地で、素晴らしい先代の日本人を知る事ができ、日本や日本人を更に誇らしく思う事ができました。